ずっと生き難かった。ため息と深呼吸の備忘録。


by 草子
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プチ贅沢ねぎ掘り



かちんこちんに凍りついていた畑の雪が、雨で緩んできたので、
雪の下で眠っている野菜を掘ってみることにした。

雪国といわれるこのあたりでは、たいてい、
根雪になる前に冬野菜を収穫して屋内に保存しておく。
それは習慣であり、常識なのだけれど、
うちでは、あえて、半分くらいを畑においておく。

半分というのは、積雪が多くなった場合を考えたリスク分散。
たいして雪が積もらなければ、畑の野菜を採りながら食べ、
どうにもこうにも掘れなくなれば、貯蔵しているほうの野菜を食べる。

いちいち半分にしてまで畑の野菜にこだわるのは、
白菜、大根、ねぎ、にんじん、どれも、
おいしさを言えば、やっぱり、採りたてにはかなわないからである。



畑は雪原状態。
畝の場所がわかるよう、目印の棒を立てたりしておくのだけれど、
積雪量の多い今年は、その棒までもが雪の下。

なんとなく、この辺かな、と勘を頼りに雪を除けてみる。
こんな穴を3つも掘ってみると、まあ、ひとつくらい野菜に当たる。
プチ贅沢ねぎ掘り_c0145183_13274459.jpg

当たりの場合、70~80センチも掘ると土といっしょに、なにか出てくる。
プチ贅沢ねぎ掘り_c0145183_132813.jpg

と、簡単そうに言っているけど、
腰より上まで雪が積もっている畑では、なかなかの重労働。
バランスを崩して転ぶと起き上がるのも大変。
除雪作業中に埋もれて亡くなったニュースが流れるのは、毎年のことだけど、
これがもっとすごいと脱出不可能になるのだな。



雪の中のねぎは、凍っているので、ふつうに引き抜くとぷつんと切れる。
なので、かなり深くまでシャベルを入れて、そーっと引っぱる。
抜けてくるのもあれば、途中で切れてしまうものもある。
プチ贅沢ねぎ掘り_c0145183_13282374.jpg

捨てられたような姿のねぎなのだけれど、こういうねぎは、うまい。
やわらかいうえにもやわらかく、ちっとも筋っぽくなくて、
生ならサクサク、炊けばぽったり甘い。

そういえば、この冬はまだ、 「ねぎ味噌」をこしらえていなかった。
どんなねぎでも、いつの時季でも、「ねぎ味噌」をつくれはしても、
ほんとうの「ねぎ味噌」は、雪から掘ったねぎでないと、つまらないと思う。

プチ贅沢。

プチ贅沢ねぎ掘り_c0145183_13283569.jpg

Commented by hitomi8114-i at 2012-02-25 07:26
雪堀り、お疲れ雅です。本当に、、、。
彫り終わったあとのねぎを洗い、流し台で表の1枚目をすーと剥く
感じまで、おもいだしていました。
掘らなければ、美味しさにありつけないから、しかたなく
頑張った頃を。

草子さんの「畑」の記事は、そのものずばり「生」で、
(今の自身に)びしびしと、喝を入れてもらっています。
Commented by OYAMAMA at 2012-02-25 10:08 x
もうすでに想像の範疇を超えた雪の世界…
その中で忍耐強さや知恵が生まれてくるのですね
草子さんの文を読んでいるだけで
私の記憶の中で 一番美味しかったネギの味が蘇ります
でも、きっと それよりもずっと美味しいんだろうなぁ。。。
雪中の葱。。
Commented by green-field-souko at 2012-02-25 16:29
■一未さま 長ねぎを、すーっと剥くの、気持ちよいんですよねえ。
一未さんと同じような経験、感覚を共有していることに
嬉しくも驚いてしまいました。
雪国で、畑があっても、関わらないひとは関わらない時代だから。

「空音」って、きれいな言葉ですね。辞書ひいちゃいました。
一未さんの記事には、つきつめた美しい言葉がいっぱい^^
Commented by green-field-souko at 2012-02-25 16:42
■OYAMAMAさま 雪国人の中では、「我慢弱い」ことにされているわたしですが、
これくらいの雪掘りなら、なんとかまっとうできますw

MAMAちゃんの記憶の中のいちばんおいしいネギって、
どんなネギなのかなあ。
おいしかったものは、その時の光景を楽しく残してくれますね。

雪から掘ったネギは凍ったりしているので、足が早いのよ。
だから市場に流通しないんだろうけど。
というわけだから、MAMAちゃん、食べにいらっしゃいな。
近くにひなびた温泉街もあるよ。硫黄の香り、ぷんぷん♪
by green-field-souko | 2012-02-21 12:27 | 畑でわたしは考える | Comments(4)