ずっと生き難かった。ため息と深呼吸の備忘録。


by 草子
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畑が増えてしまった事情



農業一本で喰えるほど広くなく、
さりとて、家庭菜園としては手に余る。

費用対効果を考えれば、農機を買うなんてとんでもなく(そもそもおカネがない)、
そうはいっても人力だけじゃ追いつかない。

先祖代々からあるものを、捨てるわけにもいかず、
なかば仕方なく、野菜をつくっている。

それが、うちの畑。


家の敷地に隣接してある畑A
家から徒歩5分の場所にある畑B
徒歩7分にある再開墾した畑C
という3つを適当に輪作しているのだけれど、数日前、畑Bで問題が起こった。

玉ねぎの畝間に枝豆を植える作業を、師匠としていると、
畑が増えてしまった事情_c0145183_16142862.jpg

近所のおじさんがブラッとやってきて、いきなり言う。
「おめさんとこの隣りにあるうちの畑、つくってもらわんろっかの」

は?
「おらとこのばーちゃん、どうもダメになってさー」
「かーちゃんは町のモン(町場から嫁いだ)だすけ、畑できねーのよ」
「つくってもらわんろっかのー」


いや、しかし、うちもこの通り、人手がないですし(汗)
「草子ちゃん、やればいいっさー^^ できるっさー^^」
いやいや、今で精一杯だし、よしんば畑借りてもおカネ払えませんし(汗)
「ゼン(銭)なんていらねーこてさ」
「なんとか助けてくんねろっか」


いや。でも。うーーーん。
「いいですよ」
え!? 師匠、いいんですか~!?!?
「もちろん、そのむね、うちのおとうさんに話してからだけど」
「おばあちゃんができなくなったっていうなら。ねえ」


畑Bはこんな感じで、
畑が増えてしまった事情_c0145183_1615452.jpg

東の隣りはすでに10年以上も耕作放棄地になっている。
畑が増えてしまった事情_c0145183_1616369.jpg

北の隣りは、一応、野菜は植わるのだけど
作り手が高齢のため、年々、手入れが浅くなってきている。
畑が増えてしまった事情_c0145183_16161670.jpg

ここで西の隣りの畑も荒れたのでは、
畑Bは、コの字型に、雑草地に囲まれてしまう。

ということは、病害虫が畑Bに集まりやすくなってしまうということである。
ということは、いっそ借りて、管理をするのが得策であるというのが師匠の考え。

「うちは無農薬だから、虫に集まって来られちゃ困るの」
「カメムシなんかが枝豆をペロンと舐めると、臭くて食べられなくなるからね」

カメムシがペロンと舐めるかどうか知らないが、
ただでさえ、とーちゃんと耕運機が、ほぼ引退した今、
畑増やしちゃったりなんかして...どうやって耕すんですか、師匠!


  :


平鍬いっちょじゃ、わたし死ぬわ...


>>続く

Commented by seechan2525 at 2012-05-07 18:21
どきどき、わくわく…
草子様のお家って、お母様も男前なのね。
Commented by green-field-souko at 2012-05-07 19:39
■シーさま
いやあ、それがねえ、師匠、申し訳ないけど全然よ~
いつぞや、ごらんいただいた通り、ゆるゆるの天然なんだわw
なに言ってくれるかハラハラさせられる丁稚も大変だす。
Commented by junko at 2012-05-07 19:43 x
Ciao 草子さん
うわーーーわくわくするうう
大変なんだろうが、畑つぶしたって聞くと、胸がつぶれる思いがして
畑一端救われたって思うと、いや――嬉しいなあ
こりゃあお手伝いに行かないわけには行かんかもねえ
あの、おもひでぽろぽろみたいに... 笑
見た??

草子さん、たくさん畑抱えてまってけろ
そのうち、そっちに移住するかも わははは

お百姓さんって未来の仕事だと思うんだよね
Commented by green-field-souko at 2012-05-07 19:57
■junkoさま Ciao!Ciao! junkoさん
おじさんに話されたときは、どうしてよいか判断できず、
というよりも、お断りするしかないと思ったのよ。
もうね、以前から人手がないから、このさきどうするんだーという感じ。

「おもひでぽろぽろ」観ましたよ。TVでだけど。

こちらには耕作放棄地がたくさんあるのよ。
放射能汚染されていないのなら、あるいは少ししかされていないのなら、
打ち捨てておいてはMOTTAINAIと思うんだけど、どうにもならないわ。はは。

うん。未来の仕事でもあると思う。
たださあ、百姓で喰っていくのは難しいよねえ。
本業という収入ベースがあるから、畑を荒らさないで済むようなもんだよ。
ほんと、いろいろ、難しいよ...
Commented by hitomi8114-i at 2012-05-07 21:17
無農薬畑が コ の字の非耕作地に取り囲まれたら、
考えただけでヒャ~!!大変なことに。特に葉物なんて、
虫さんや芋虫さんのための栽培になってしまいそう。

いくらタダでお借りしても、栽培した作物の一部をお届け
することになるのかな?と思いますし、その分過重が掛かって、
草子さんやご家族の健康を害しては何もならないし…。

都会の猫の額ほどに区分けされた家庭菜園なんて、更新
されるたびに、くじ引き状態だというのにね。
もっとも、狭小だからこそ、出来るってこともあるのだと思うけど…。

つくる作物や方法など、十分検討されて、ベターな結果が出ます
ように。(近くだったら、早朝の水撒きや朝露のついた収穫など手伝い
たいくらいです)
Commented by green-field-souko at 2012-05-07 22:04
■一未さま そうなんです。ヒャ~!!なんですよ。。。
昭和のなかばくらいなら、ただで農地を貸す(借りる)なんて、あり得なかっただろうと思うんです。
ところが今は、ただで頼んだって、引き受けてくれる相手がいればなんとか
という程度で、場所などの条件がよくないと、引き受けようにも無理な状況です。

新潟市内の貸し農園も、くじ引きだそうです。
やっぱり、行きやすい場所と、手軽に出来る狭さなんでしょうねえ。
このあたりみたいな条件だと、作り手も先細り状態みたいです。

うん、ありがとう。サツマイモを植えることにしましたよ。
紫芋と安納芋をごっそりつくりますよ。プリンスメロンやマクワウリも。
どうせなら、味のよいものとか、ちょっとめずらしいものとかを、ね^^
量が採れても持て余すだけなので。
明日もまた畑です。苗の植え付けです。がんばるよー!
Commented by junko at 2012-05-08 17:53 x
ねえ、草子さん
そんなに耕作放棄地があるのなら
福島の農家の人達を呼べないもんでしょうかねえ

わたしさ―彼らの一番辛いところって、畑を耕せないことだと思うんだよね
汚染された大地を見て溜息付いてても拉致あかないからさ
土地への愛着ってわかるけど、そういう移民もありじゃあないかなあと思いますけどねえ
どんなもんだろ??

そしてお百姓さん達がそれだけで生計を立ててることができるように
するのが農協の、そして自治体、ひいては政府の仕事だと思うけどね
食が国内できちんと賄えて、それって国が自立していくための最低限の基本だと思うんだけどね
イタリアも貧乏だけど、なんとかやって行ってるのは、食の自給率が高いってことにも依ってると思うのです
お百姓さん、なくなってほしくないから
頑張って、幸せになってほしいんだよねえ

Commented by green-field-souko at 2012-05-10 05:46
■junkoさま う~ん...どうでしょうかねえ。
耕作放棄地と言ったら、ヘタすると、ススキの原野に戻っているわけよ。
そんなところを与えてもらったって、福島の方々は迷惑なだけじゃないかしら。
地元ですらやれないから放棄されているんだもの。
耕作放棄地を耕したって喰えないだろうし、どうやって生活していくかとか、さ。
こっちに避難した福島の方々、雪にめげていたらしい。やっぱり、ねえ。
古民家を買って県外から移住してきたひとなんかも、だいたい3年で出て行くもん。

ただ、若者の移住定住を含めての営農支援自体は、あちこちの自治体などで
やっているから、お互いの条件が合えばできなくはないと思うよ。

イタリアは野菜や果物が、異常においしかったわあ♪
ああいった素材のよさは、新潟も通じるものがあると思った。
食の自給率、大事なのに、この国の農政はどうかしているとわたしも思います。
ま、既得権益団体なんぞ、あてになんてしていないから、べつにいいんだけどw
by green-field-souko | 2012-05-01 15:39 | 畑でわたしは考える | Comments(8)