ずっと生き難かった。ため息と深呼吸の備忘録。


by 草子
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カテゴリ:旅と隠遁( 450 )

秋陽



明治からを遺す水場に、
やわらかくなった秋の陽射しが
こぼれていた。

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でも、庭には
まだ、青もみじがさやさやと。

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ひずんだ板硝子なんかの
不完全なゆるさは、わたしの好きを超えている。

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夏を騒いでいた人たちは、
何処へ消えてしまったのだろう。




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by green-field-souko | 2017-09-14 10:52 | 旅と隠遁 | Trackback | Comments(6)

天気雨



杉木立の参道を歩いていたら、小雨が降りだした。
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飽和した空気中の水が
森のなかを漂っていたり、辺りをしっとりとつつんだりしていて、
それが、こまかな水滴になって落ちてくる。




越後一ノ宮。
ふうらりと来てしまった。

手と口を清め、ゆるやかな石の道をのぼり、二礼四拍手一礼。

儀礼的なつもりで、なんの気なしに打った自分の柏手が、あまりにも響いたので驚いた。
たいして力を入れないのに、空気がビンビン震えるなんて。
いったい、なに、これ?
近くに居たおじいさんも、音に驚いたのか、こちらを見ている。
なんなの、どゆことお?
わたしは見られて恥ずかしかった。


そうして、ほどなくして、一瞬、さあっと雨が落ちたかと思ったと同時に、
まぶしいほどの陽が突然、射して、
社の銅板の屋根から、もうもうと白い湯気が立ち昇った。
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雨で濡れた銅板が陽であたたまって起こった現象でしかないのだろうが、
それは、さながら、異界に雲が湧いているようであり、
多くの参拝者は
荘厳な光景に圧倒され、黙って屋根を眺めていた。
社から湧く雲をわたしも眺めながら、
どうしてなのかわからないけど、
神様がいるなあ、と解ってしまった。

一陣の風がビュンと、
わたしの上半身をピンポイントで吹き抜けた。
あの風は神様だったのかもしれない。




ここの狛犬さんの、
いかにもな魔除け顔が好き。
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さっぱりしたので、また行きたい。




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by green-field-souko | 2017-05-21 08:44 | 旅と隠遁 | Trackback | Comments(16)





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これで、すぃさん、好きになった。
(1:25あたりから)
眠れない夜に、ずっと聴いていたい声。
すぃさん、もっとバラードとか歌ってください。




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by green-field-souko | 2017-01-30 01:15 | 旅と隠遁 | Trackback | Comments(4)

経糸と緯糸



昨日。朝から半日ほど、展示の打ち合わせ。

それから
走って、ひとと会い、
それから
また走って、申し込んでおいた公開講座。

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経糸と緯糸の話。
タテはたいてい丈夫で繊維の長いカラムシ。
ヨコはカラムシもあるけど、やわらかいアカソやシナ。
という事例。

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上:正の撚り(縄文原体表記 0段ℓ 左撚り 1段R 右撚り)
下:反の撚り(縄文原体表記 0段ℓ 左撚り 1段L 左撚り)
(※繊維産業表記は逆に表記) …なんとややこしい泣

強度があるのは正の撚りなのだけれど、
反の撚りは、
繊維間にできたわずかの隙間が空気をはらみ、保温性が向上する。
また、植物繊維なので、汗(湿気)を吸えば膨らみ、乾くと隙間が戻り、
ゴアテックス的な機能が得られる。

丈夫で耐摩耗性にすぐれた衣類。
着心地がよく保温性の高い衣類。
作業に必要な機能、着用時にほしい機能を得るために
素材の選択、素材の加工、織りの方法、それに「撚り」があったのか
と、往時の複雑で高い技術と追求心には驚くばかり。



サンプルは、カラムシなんかではなくジュート。
カラムシは大変高価なので。

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冬に手仕事を手伝った注連飾りも「綯う」もの。
つながるような。つながらないような。
機(はた)の世界は難しすぎる。
自分で紡いだり織ったりするひとでないと、
実際のところは、ちゃんと理解できないのだろう。


つかれたけど、勉強になった。
糸口とは、こういうことを言うのだな。



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by green-field-souko | 2017-01-29 14:18 | 旅と隠遁 | Trackback | Comments(8)

開墾場




機(はた)関係は難しい。
材料も、織も、道具も。

どうにかならないものかと
調査地の近隣に、手がかりをさがしたことがあった。
米沢の高機や養蚕。
会津のカラムシ。
置賜の紅花。

性急な仕事を本業にしてきた身に、
果てしなさすぎる調べものは、精神的に堪えた。
反面、大河の対岸を臨むような
おおらかな気持ちよさも、また、ほんとうで。
今度、生まれてくるときは、研究職に就いてみたいものだと思った。



松ヶ丘開墾場。
戊辰戦争で賊軍となった旧庄内藩士たちが、
刀を鍬に持ち替え、
産業報国を示すべく拓いた。

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広大な桑園。10棟もの大蚕室。
製糸工場と絹織物工場。

官営の洋風建築の製糸工場が建てられた同時代に、
ここでは、民営による和風建築が選ばれた。

蚕室の中には、太い柱や長い梁。
蚕に必要な通風を得るための無双窓。

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蚕の生育を早めるなどの床暖房、「埋薪(まいしん)」の工夫。
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ここで発明された汎用農具。
ここで品種改良された何十種類もの稲。
ここで生きた、誇り高い人々。




米沢を訪ねれば、米沢がいちばんと思い、
昭和村を訪ねれば、昭和村がいちばんと思い、
このときは庄内がいちばんと思っていた。

画像情報を見たら、昨年の11月3日となっていた。
帰りの峠越えで、たしか、ミゾレに遭ったのだった。
今年は、養蚕作業が始まる季節に訪ねたい。
そのころ、開墾場の桜は満開だろうか、散っているだろうか。

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by green-field-souko | 2017-01-24 14:17 | 旅と隠遁 | Trackback | Comments(2)

てっぺん調査カード



ときどき行く博物館の企画展。
土曜の会期初日に。

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大麻も「アサ」で、カラムシも「アサ」。
質のよいものは売る。
質が落ちるものは自家製作自家利用。
「植物繊維」「織」で、
越後上布とアンギンがつながった。



展示物は撮ってもよいそうなので、
あらためて撮りに行きたい。


調査カードだけスマホで撮る。

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これ!これ!このまとめ方。
ストンと落ちた。
わたしのやり方は間違っていなかった。
異質異端ではないかと凹むことが
今まで多かったので、
つよい味方に出会ったようで嬉しかった。





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by green-field-souko | 2017-01-23 06:51 | 旅と隠遁 | Trackback | Comments(8)

時を止めた台所で



1995年4月1日12時49分
新潟県北部地震

あの日に時を止めた家へ、
台所の簡単な記録のために入った。


硝子の破片、落ちた土壁、埃、蜘蛛の巣。

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茶の間はこんなに狭かったっけ。
縁側の雨戸は、開かなくなっていた。
揺れで家が曲がったせいだろう。


カマド周辺を撮って計測をしたあと、
失くしたはずの腕時計を見つけたのでポケットへ。
ついでに、懐かしい茶盆も持ち出した。

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「素敵なカマド。ここ、カフェに改造したら?」
と学芸員さんは真顔で言ったけど、
こんなところへわざわざ来るひとはいないだろうと
思ったら、可笑しいような、淋しいような。
「それでは、そのうちに」と返事をする。




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by green-field-souko | 2016-11-14 14:27 | 旅と隠遁 | Trackback | Comments(16)

雲蝶さんテイスト




ミュージアムショップから眺める上野公園は
おまつりみたいな雰囲気で、
アーティスティックな山車にわたしはワクワクしながら、
あれはどなたがお創りになったのですか、と
沈香を包んでもらいながら訊いたら、
芸大の方が創られたんですよ、と嬉しそうに教えてくれた。



猪鹿蝶とは、やるなあ。
なんだか、雲蝶さんぽくて、大好き。

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こっちは
信州信濃の早太郎と老ヒヒか。

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玉手箱とウミガメは、
いろんなアングルから見るのが
おもしろい。

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上野公園は、好き。

なんと言っても大きな樹があって、
樹の下のベンチで
ランチをほおばりながら、
課題をやったりしたのだった、わたしは。

そうしたときは、
たいてい、ひとりだった。

東京を離れてひさしい今、
たまに仕事で都内へ行ったって
すき間の時間があれば、
美術館や博物館がかたまっていて、
そこそこ静かで森のような、
上野に足が向いてしまう。

そうして、
ベンチから
樹の葉に覆われる空を見あげ、
とりもどせなさを、すこしだけ悔やむのだ。





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by green-field-souko | 2016-11-05 20:06 | 旅と隠遁 | Trackback | Comments(4)

ののめ仕事






森の匂いに誘われたのか、
猫、きのこへ走り寄ってくる。
マタタビの小枝で喜びまくるのと同じように、
きのこを嗅いで、嬉しがりたいのだろう。

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ののめをもらった夜。
新聞紙に広げると、
しめっぽく、ほの暗い、土や植物の匂い。

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アミガサタケという名前らしいが、
このあたりでは、ぬのめ、とか、ののめ、と呼ばれている。
こりこりした食感で、だしもよく出て、おいしい。

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あの事故以来、
山のきのこを食べないひとが増えた。
さいわいにしてこのあたりは汚染を逃れたらしいし、
汚染されていたとしても、
もうじゅうぶん、わたしは生きたと思っているので、
ありがたく、いただくことにしている。

とはいえ、みすみす、毒きのこに当たりたくはないので、
青い汁を出している
あやしげなきのこの欠片は取り除く。

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夜更けにきのこの掃除をすること小一時間。
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多少のごみは気にせず、
塩水に浸けて虫を追い出してから茹で、
水にさらしながら、こまかいごみをとる。

半分は冷凍。半分は塩漬け。

いつでも、どこでも、なんでも買える時代なのに、
面倒なののめ仕事をさほど億劫に思わず、
むしろ楽しいことと感じるのは、
わずかばかりでも、
冬の保存食糧の備蓄を手伝った幼少体験があるからだろうか。

雪国に冬がやってくる。
ふと思うと、
さしたる用事もないのに、気が急いてしまう。

冬がくる。




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by green-field-souko | 2016-11-05 16:35 | 旅と隠遁 | Trackback | Comments(8)

博物館のホセフィーナ




ひさしぶりだね。
シロナガスクジラのオブジェに、わたしは、心で挨拶をする。

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東京国立科学博物館にある実物大の模型は、
体長30メートル、体重約150トンのメスの大人のシロナガスクジラが
海面での深呼吸を終えて急速に深く潜ろうとしているところ。

なのだそうで、
このような詳細設定をされているところが、すごく好き。

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好きすぎて、勝手に名前をつけている。
ホセフィーナ。
ホセマリア・サンチェスシルバ 著
ロレンソ・ゴニ 挿絵
子どものころに読んだ「さよならホセフィーナ」から借りた。

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ホセフィーナは少年だけに姿が見え、大きさも自由自在に変わるクジラ。
こんなクジラを、わたしも欲しかった。
もしも存在するなら、今でも、欲しいと思っている。





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by green-field-souko | 2016-10-28 10:58 | 旅と隠遁 | Trackback | Comments(6)