ずっと生き難かった。ため息と深呼吸の備忘録。


by 草子

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 わたしの部屋のお向かいに、畑をはさんで、2階建てのアパートが建っています。
 こちら側に4つ、窓があります。どんなひとが住んでいるのか、特別な興味も、知るよしもありませんが、あるとき、そのうち一つの窓の灯かりが点きっぱなしであることに気づきました。
 わたしは時間の不規則なデスクワークをしています。気分転換にしょっちゅう、ベランダへ出てみたり、畑に面したキッチンでコーヒーを淹れたりするものですから、ついでにお向かいの窓が眼に入るわけです。

 その窓は、夜から朝まで、いつも灯かりが点いていました。
 わたしはその窓の灯かりを眺めながら暮らしました。いつしか、なんとなしに気にかけながら、灯かりを眺めるようになりました。
 住人がどんなひとかは知りません。窓が開くのも、洗濯物が出ているのも、一度も見たことはありません。

 じつは、わたしも、よく灯かりを点けっぱなしで寝てしまいます。暗くしないと眠れないひとは多いでしょうが、わたしは暗くすると眠れない性質なのです。闇が眼を冴えさせるのです。子どものころから。
 あの部屋の住人も、もしかしたら、灯かりを点けていないと眠れないひとかも。だからと言って、とりたてて連帯感をおぼえたわけでもなくて。こちらからあちらの灯かりを眺めるとき、あちらからこちらの灯かりも見えているのだな、くらいは考えることがありました。

 このごろ、灯かりが点かなくなりました。たぶん引っ越していったのでしょう。
 ベランダで煙草を吸いながら、キッチンでコーヒーを淹れながら、わたしは灯かりの点かなくなった窓を眺めます。どうということもないのですけれど、日々に、なにやらすき間ができたようで。淋しさが、ちょっと、やっかいです。
by green-field-souko | 2007-11-30 19:29 | 日々の照り降り | Trackback | Comments(0)

布団をかぶった大根

 輪切りにして下茹でした大根と、あぶらあげを、おでんくらいのおだしでコトコト煮含めました。たったそれだけ。あぶらあげをのっけたら大根は、寒がって布団をかぶったような姿になったので、こんな名前をつけてみました。

 あぶらあげを丸ごとごらんいただきたくて、こんなふうになりましたが、半分に切っていただいたほうが、もちろん断然、食べやすいです。

 三角のあぶらあげ。うちのほう、新潟県の北部ではごくふつうですが、めずらしがられることもよくあります。
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by green-field-souko | 2007-11-30 09:03 | そうるふうど | Trackback | Comments(0)

春菊のカリカリ焼き

 このあいだもらってきた春菊が、まだ残っていました。

 市販のお好み焼き粉を、かなりゆるく水で溶きます。5センチくらいにきざんだ春菊のクキの部分と、桜海老をひとつかみ加えます。これを、胡麻油を熱したフライパンに流し込み、できるだけ薄くのばします。焦げ目がついてきたら、春菊の葉っぱの部分をのせ、裏返します。春菊にあまり火を通しすぎない程度でお皿へ。お醤油をたらしてどうぞ。

 春菊が主役、桜海老が脇役なので、生地はゆるく薄くカリカリに。とはいえ、薄い分、火が通りやすいので、春菊とバラバラにならないよう手早く焼くことが、コツといえばコツかな。

 春菊のクキの部分もぜひ入れましょう。歯ごたえがいいです。
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by green-field-souko | 2007-11-30 08:52 | ときどきプチ野菜料理 | Trackback | Comments(0)

孤独と自由

 そのひとに初めて逢ったとき、「水みたいなひとだ」と、わたしは思いました。なぜでしょう。36度5分の体温を持ち合わせていない気がしたからです。冷たい。無味無臭。すくったとしても指の間から、するするとこぼれて居なくなくなるであろう、定まらない透明な生きもの。
 クールで、頭がよく、やりたいことを自由にやっていて、そのぶん孤独にも見えました。ひとと関わらずにいられないくせに、うまくやる術を理解できない、プライドの高いシニカルな少年のようにも見えました。きわめて主観的な印象ですが。

 孤独がお好きなんじゃないですか? あるとき、酔った勢いで、わたしは失礼なことを訊きました。
 そのひとは笑いながら答えました。「好き、ねえ。在るもの、ってことじゃないかなあ。孤独と自由は裏腹で、どっちもよいものですよ」。
 かなりのインパクトがありました。他者と折り合うのが下手なわたしは、いつもめげていて、孤独の裏に自由があるなんて、思いつきもせずに居たからです。

 そのひとは、さらに笑いながら、言いました。「あなたもね。そりゃあ、わかりますよ、同類だから」。
 同類? わたしはクールでもなければ、まったく頭もよくなく、不器用かつ不様にジタバタもがくタイプです。どう考えても、そのひととの類似点は一つも思いあたりませんでした。

 この話はここで終わるのですが、「孤独と自由」についての、そのひとの見解は、すこしだけわたしを強くしてくれました。
 「孤独はね、上質の孤独であれば、恐るるにおよばないのです」。そうも言ってくれたひとを、凹みかけた夜などに、ときおり思い出しています。
 URLを伝えはしたけれど、このブログを読んでくれているかなあ。
by green-field-souko | 2007-11-29 18:49 | 日々の照り降り | Trackback | Comments(2)

想いという不思議

 この間、ふと気づいた、ここ数年に起った「偶然」の話です。

 あるとき、あるひとが、妙に思い出されます。そのひとは随分と逢っていないひとだったり、もう二度と逢う機会がないであろうひとだったりするのですが、気がつくとそのひとのことを考えているのです。無論、なんの脈絡もなく、です。
 こんなことがあったっけという思い出のシーンではなく、そのひとのリアルなイメージがゲル状の薄い膜となって、脳みそを覆っている曖昧な感覚。考えては、「どうして彼(彼女)のことを考えてしまうのかなあ」と、自分でも怪訝に思うような。

 最近。昔むかし付き合っていた相手から手紙をもらいました。なぜかこちらも頭にあったので驚きました。ある日を境に連絡はまったくとっていません。わたしの名前を検索し、ある程度の住所を某サイトで探し当てたそうで、半端な宛名で手紙は届きました。(逢うつもりはないので、2行だけのメールを送信して終わりましたが)

 その前。遠縁のおばさんのことを考えていたところ。身寄りをさきに失ったあと、施設で亡くなり、ちょうど3年前に公の墓地に葬られていたことがわかりました。

 その前。学生時代、バイトでお世話になったママが、気になって仕方ありません。訪ねてみましたが、とうに店はなく、数日後、新聞の死亡欄で名前を見つけました。年齢からしても本人だと思われました。ふだんは死亡欄など、まず見ることはありません。

 その前。小学校の卒業式の後、転校した同級生。とくに親しくもなかった男の子なのに、彼のことを考えてしまうのです。そんなおり、ひょんなことから彼のほうから連絡をくれ、その夏は、ほかの元クラスメイトにも声をかけ、プチ同級会ができました。

 その前。親しくしていただいた恩師の顔が、頭に浮かんで仕方ありません。なんか変な感じだなと思っていたら、13回忌が間近でした。

 まだまだあるのですが。なにもこれは特別なことじゃなくて。「虫の知らせ」「第六感」などと昔から言われてきた、そういった軽い偶然であり、だれもが多かれ少なかれ持っている能力なのだと解釈しています。
 ただ、〝想い〟という不思議なチカラがあるとしたら、それはどういう正体なのだろうか? と考えてしまいます。場所、時間、生死に関係なく、想う気持ちが伝わるものだとすれば、どんな仕組みを経て、わたしはさまざまな〝想い〟を受け取ってしまったのでしょうか。

 こうしてブログを更新していると、「似たような仕組みかなあ」なんて、ひとりごちてしまうのですが。24時間、地球の表面あたりを、たくさんの〝想い〟を載せた電波が飛びかう、インターネットさながらに。
 さて。わたしの〝想い〟は、どこのどんなひとが、受け取ってくださっているのでしょうね。
by green-field-souko | 2007-11-29 17:42 | 日々の照り降り | Trackback | Comments(2)

本日の野菜②

 忘れるところでした。かーちゃんの畑からもらってきた野菜。
 今日のは、大根、長葱、カリフラワー、ブロッコリーです。前回とかぶっていますが、野菜サイドのつごうですのでご容赦を。
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by green-field-souko | 2007-11-29 14:31 | 畑でわたしは考える | Trackback | Comments(0)

たくあんカレー

 と申しましても、たくあんが投入されているわけでは、ありません。
 じつは昨日、かーちゃん手製のたくあんを、強制的に持たされてきたんですよ。
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 困ったなー、たくあんなんてそんなに食べないしなー、どうしようかなー、と考えまして。たくあんに合わせ、今日のごはんはカレーにしてみました。

 カレー。具は、豚肉・玉葱・にんじん・じゃが芋と、極めてオーソドックス。肉の旨味をスープ側に移したいので、わざと炒めず、よーく煮ます。煮えたら市販のカレールーを加えます。ルーの分量の目安は、色・辛味・塩気が最低限度につく程度。でも、それだと、とろみが足りませんから、おたまでじゃが芋をつぶし、じゃが芋をとろみにします。

 たくあん。能力の限界まで薄く切ります。酢で塩気を洗い、ぎゅっと絞ります。ピクルス感覚でカレーに添えます。
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 以前、ごちそうになった、友だちのお母さんのカレーがお手本です。たっぷりの野菜がおいしくて、やさしい味で、ヘルシーで胃にもたれません。「こんなカレーもあるんだあ!?」と、目からウロコでした。以来、自分でつくるときは、すっかりこのカレーになっています。お醤油を香りづけにたらしても、いいかもしれません。
by green-field-souko | 2007-11-29 13:49 | そうるふうど | Trackback | Comments(0)

割れ大根

 冷え込んだ朝など。引きぬく際、あるいは畝に植わったままで、大根が割れることはよくあります。寒さに身が耐えきれないのか、なんらかの負荷がかかるのか。突然、「バシッ」と音をたて、含んだ水気をほとばしらせて亀裂が入ってしまうのです。

 ところが今年はどうでしょう。たいして寒くもなっていないのに、この有様。しかも、暑さ続きのせいで水分がすくなく、身がかたいにもかかわらず、縦に横に、大胆に割れています。
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 地球温暖化の影響でしょうか。こんな痛々しい大根を見ると、なにか、わるいことが起りそうに思えてきます。

 余談ですが。もう何年も前から、かーちゃんの畑では、半日陰と涼しさも必要な胡瓜はあまりうまく育たなくなっています。かわりに暑いほど喜ぶゴーヤは大豊作。やっぱり、地球は変になっているように感じますが、どうなんでしょうね。
by green-field-souko | 2007-11-29 11:58 | 畑でわたしは考える | Trackback | Comments(0)

冬の夏野菜

 これは、しし唐です。夏の間、さんざん食べて。秋をすごし、冬を迎え、こんな姿になっています。ピーマンもしし唐と同様、生らせておくと、しまいには赤くなります。なにやら熟女の風貌です。
 かーちゃんは、赤くなったピーマンを炒め物のアクセントに加え、「甘味があるし、なかなか使える」と言っています。売っているカラーピーマンより、身が薄く、味が濃いかな。
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 これはミニトマト。青い実はお店で手に入らないので、傷んでいない実を摘んでピクルスにしようかと思いつつ、うっかり忘れてきました。というわけで、グリーントマトのピクルスは、来年の初夏までおあずけですね。
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by green-field-souko | 2007-11-29 11:20 | 畑でわたしは考える | Trackback | Comments(0)

小春日和

 ん? ・・・裏庭(=畑)で、プルーンの樹がいじめられていました。たくあん用の大根を掛けられて、重さで枝がしなっています。可哀相に。折れそうです。
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 モズの早贄というか、なにかの死骸がさらされているみたいで、ビミョーに気味がわるいしー。
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 ありゃー、向こうの柿の樹にも。こんなアバウトなことをやるのは、かーちゃんしか居ません。どうして軒下あたりに、きちんと掛けられないかなあ。ぶつぶつ。
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 それにしても、今日は、なんて気持ちのいい天気なことか。
 干し大根の向こうに見える空の青さ。こういうのを「胸がすくような」なんて言うんでしょうね。
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 遠くの飯豊山は雪です。二王子岳のゲレンデが白い線になって見えています。
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 シベリアから瓢湖へ渡ってきたハクチョウが、近くの田んぼで遊んでいました。
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by green-field-souko | 2007-11-29 03:10 | 畑でわたしは考える | Trackback | Comments(2)