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昆虫採集の記憶

子どものころ、夏休みの宿題に、昆虫採集なんてのがあった。
どこの文具店にも、小さな箱に注射器やピンセットがパッケージされた、昆虫採集セットを売っていた。

百貨店の夏休みイベントとかで、めずらしい昆虫の標本を眺めるのは好きなくせに、つかまえたバッタやチョウにはどうしても注射針を刺せず、毎年、毎年、3つ年上の従兄が全部やってくれた。虫をころすことが怖ろしくてたまらなかったのだ。だれもが強い時代だったのか。心がひ弱な子どもだったのか。


ある夏。従兄の指につままれ、薬品を注入されてもがく虫が、こときれるそのとき、背筋がゾクッとした。自分のなかのダークを意識した、はじめての感覚だった。

その夜、たしか、熱を出した。
昆虫採集を、させてはいけない種類の子どもは、いるのではないだろうかと思う。



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虫を撮るのは好き
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虫は可愛いけど、苦手な方はスルーしてね。
by green-field-souko | 2009-06-30 16:38 | とるに足らないモノコト | Trackback | Comments(6)

眠れない夜に

湿気でできた服を、一枚、余計に着ているような夜。

息をするのも億劫で、
ジンのグラスといっしょにベランダへ出たら、
どうかしているカラスが、夜更けなのに鳴いていた。

気持ちで伝える言葉。
テクニックで伝える言葉。

わたしは。

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さて、どこへ行こうか。
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by green-field-souko | 2009-06-30 02:10 | とるに足らないモノコト | Trackback | Comments(4)

ボーにお願い

ボーを見送ってから8年が経ちました。
ついこの間のことのようでもあり、ずっと昔のようにも思えますが、きっと、ボーはそちらにも慣れて、元気でやっていることでしょう。

ところで、昨日、ばろんが、そちらへ向かって旅立ちました。

ボーと違って敷地から外へ出たことのない子です。内弁慶で甘えん坊だし、道を間違えず無事にそちらへ着けるか心配しています。
天国がどこにあるかわからないけれど、あの小さな足で、どれほど歩かなければならないものか。頼りなく心配です。いろいろと心配です。

ボーにはすまないのですが、ばろんを迎えに出てもらえないでしょうか。
白地に薄いグレーのシーズーが、あなたの後にうちの家族になった、ばろんです。
あなたは、やさしく、賢く、勇敢な、心根のよい甲斐犬だったから、ひとつ面倒を見てやってもらえませんか。

わたしが同行できればよいのですが、今すぐには無理なので、ボーに頼みます。
そして、ちょっと、待っていてください。わたしが行くまで。
そのときになったら、また、いっしょに遊びましょう。  そういうわけで、よろしくお願いね。
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道中どこまで行けたやら
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by green-field-souko | 2009-06-29 16:38 | 日々の照り降り | Trackback | Comments(10)

ばろん逝く

元気になったはずのワンコ。 じつは、あれから、いまひとつ不調でした。
とはいえ、ふつうに食事をして、庭をかけまわり、小さい子とボール遊びをしていたのですが。

夕方、ふだん通りに食事をしたものの、夜になって元気なく寝ているので、母が声をかけたら起き上がり、すこし甘えたそうです。
夜中に父が起きて様子を見ると、血尿を出して、ぐったりしていて。からだをさすってやったら、苦しくてどうにもならなかったのか、父の手を本気で噛んだそうです。
朝一番で獣医さんに連れて行く用意している間にしらじらと夜が明け、6年間の生涯でただ一度だけ、ひとを噛んで、ばろんは逝きました。


わたしが実家に着いたときは、父によって、すべてが片づけられていました。
ケージやトイレ、リードも、ドッグフードも、なにもかも。
小さな包み。さわったら、かたいものに触れたので、ばろんは本当に死んでしまったんだなあ、と思いました。
「草子、開けるな。見らんばていい。さっき、おらが、線香をあげておまいりしたすけ」
「もうすこししたら、動物霊園のひとがきてくれる」
ばろんは、いつもしていたブルーの首輪や、ボールなどの玩具といっしょに、小包みたいにきちんと、くるまれていたのです。

合掌して、動物霊園の車を見送ると、どうしようもなく涙があふれてきました。

ばろんが死んだことを、おたま(姪・小2)は、まだ知りません。
「とーちゃん、同じ犬をいますぐ買いに行ってこよう」と、わたしが言うと、
「そういうことは、するな!」と、強く叱られました。
おたまを引き合いに出したりなんかしたけれど、ばろんが居なくなって、たまらないのは、わたしだったのです。
「おらは子どものころから犬が好きで飼ってきた。これが8つめだ」と、父は言いました。一番たくさん、ばろんの世話をしていたのは父でした。


なにも今でなくたって。と母に言われたけれど、
わたしは畑へ出て、泣きながら、じゃが芋をぜんぶ掘りおえました。

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バイバイばろん いつかまたね
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by green-field-souko | 2009-06-28 17:57 | 日々の照り降り | Trackback | Comments(2)
まえにも登場している、たまご味噌。
こっくりした味がおいしく感じられる冬は甘め。食欲が落ちてきている夏の今は、お味噌比率を高くして、ごはんが進むよう辛めに仕上げます。汗をかいた日は、塩分がおいしい。

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それにしても蒸し暑い…
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by green-field-souko | 2009-06-28 06:27 | そうるふうど | Trackback | Comments(4)

芥川喜好氏MEMO

都会の片隅でもいい、ぬれた深緑から放たれる青臭い精気とひんやりした空気に鼻先を浸していると、人間がこの「緑」を呼吸しながら生きてきたことがほとんど本能的に理解できます。緑によって、体の細胞の一つ一つが目覚めていく感覚といってもいい。

遺伝子の記憶というものでしょうか。人類の長い歴史の大半は森のなかであり、川のほとりで文明生活を始めてのはほんの先刻にすぎないことは前にも書きました。生理機能も、感覚の根源も、なお「森の人」のままということです。

―どうもこの季節、想念は人間の根の方へと引きずられていくようです。しとしと降る、静かで、孤独な、雨音のせいかもしれません。 (6月27日付 読売新聞朝刊より抜粋)
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同じことをわたしも感じていたのでMEMO。
森を含めて、「辺(べ)」はそうなのだと思う。海、川、湖、潟のほとり。もうちょっと時代がさがると、里山の山裾、鎮守の森、農耕地とか。



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芥川喜好さんは前から好き
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by green-field-souko | 2009-06-28 05:15 | 旅と隠遁 | Trackback | Comments(4)

坂道をいくと海があった

河口のまち。

跨線橋を超え、警察署の前を通り、大きな河に架かる橋を渡り、神社と洋食屋さんとお蕎麦屋さんと医学部を過ぎ、交番のところのだらだら阪をうだうだ行く。個人の住宅兼レストランを左手に、小学校の門で曲がると、ようやく海へ出る。
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すこしまわり道をすれば、鬱蒼とした木陰に覆われた神社、初夏だけ開放される薔薇愛好家の庭、昔の教会や池の名前を遺す小径、無頼派作家に由来した石段があったりする。



女優さんみたいにきれいで、おっとりとした伯母が、割烹旅館をやっていたのも、このあたり。旅館のあった場所は、現在、立体駐車場ビルと高校の校舎が建っている。幼いわたしは母に連れられて、よく遊びにいき、伯母の旅館から水着で海へ歩いて行ったものだった。伯母のところで過ごす時間は、とてもおだやかで、安心できた。

生家はいつも嵐が吹いていた。突然、火の手が上がったり、鉄砲水をかぶったりしていた。疎ましくつらかった。けれど、のがれられないのであれば、黙って、なんでも一つ残さず見てやろう、と覚悟をしていた。老成した、体の弱い子どもだった。

そんな反動の記憶があって、いまになっても、ここの海岸を懐かしく、好きに思えるのかもしれない。



夏のコンクリートやアスファルトは、白く、白く、昼下がりに置かれている。置かれたまま、時間の流れのなかに、刻まれていく。

焼けつく長い砂浜を、我慢できない熱さにとびはねながら、打ち寄せるつめたい波まで駆けた。
まだ若かった伯母と母は、薄いクリーム色の日傘の下で、眩しそうに笑っていた。
冷えた麦茶を水筒につめた。飲み残した麦茶を、熱いテトラポッドは、表面で見る見る蒸発させた。

今も、海にいると、やたらと喉が渇いてしまう。

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いつかこの海岸をちゃんと撮ってみたい
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by green-field-souko | 2009-06-27 15:53 | とるに足らないモノコト | Trackback | Comments(4)

この夏のはじめて

窓を開けて眠る

冷蔵庫に水

茗荷と青紫蘇をのっけた素麺

扇風機

ペタペタ歩けるフラットなサンダル

短い昼寝

曖昧な色のソーダ水


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とくに昼寝は
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by green-field-souko | 2009-06-26 12:38 | とるに足らないモノコト | Trackback | Comments(6)

おかえり

わたしは元気です。
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いろいろと。

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まあ なんとかね
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by green-field-souko | 2009-06-26 05:13 | 旅と隠遁 | Trackback | Comments(6)


裏の畑からいんげんをもいできて、洗って衣を付けて揚げます。
精進揚げは、粉と油があれば、あと必要なのは畑の野菜だけ。手早く大家族の食事をまかなえました。

ド田舎の暮らしのなかで、かーちゃんは、こんなもんばかり食べさせてくれました。

あのころ、ちゃぶ台にお皿を並べながら、「また、野菜の天ぷら…」なんて、ぶうたれて、わるかったなあと思います。いや。正確には心でぶうたれました。口に出せば、「いやなら喰うな!死んでも喰うな!」と、とーちゃんが沸騰したものでした。

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とーちゃん無茶苦茶…
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by green-field-souko | 2009-06-25 09:10 | そうるふうど | Trackback | Comments(12)