ずっと生き難かった。ため息と深呼吸の備忘録。


by 草子
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焼きねぎの甘さ



ちいさな姪と甥は、野菜はなんでも大好きで、
焼いたしし唐やピーマン、オクラのおひたし、にんじんのごま和えといった、
およそ子どもの好みからは遠そうなお惣菜を、
おじいちゃんから「あーん」と食べさせてもらうのも大好き。

わたしにも、おぼえがある。

ちょこっとの酒の肴から、ほんのひと箸。
父だけにつけられる一品はどんな味なのか。
ふだんは厳しい父に、口まで運んでもらうのが、照れくさくて、嬉しかった。

父としては怖かったけど、祖父としては相当に甘々で、
その様子を眺めていると、
このひとも、いつのまにか、齢をとってしまったなあ、と静かに淋しくなる。



「どうだ。うまいか?」と目を細めるおじいちゃんに、
「甘~い!」
「ちゅるんと出てくるのが、おいしい!」
などと答えながら、姪と甥は、焼きねぎを、ほおばる。

「ふたりとも、いい子ねえ」
「畑のねぎでいいなんて、安あがりだこと」
笑いながら、おばあちゃんが、追加のねぎを焼く。

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時が移ろっても、あんがい、変わらないものがあるね。

畑は、今日も、雪の中。

by green-field-souko | 2013-01-29 08:31 | そうるふうど | Trackback | Comments(12)

軟白青梗菜



たまたま混ませて畑に植えた青梗菜。
軟白化して、ひと味ちがう野菜に育っていました。

たとえるなら、根元は繊細でハリのある白菜。
あるいは、葉先は厚く柔らかい小松菜。


今まで、青梗菜は、加熱すると「うにっ」とした食感になって、
あまり好きではなかったのですが、
これは、腐乳炒めにしてみたら、「さくっ」と、おいしかった。

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堂々30センチ。軟白青梗菜。
来年の冬は、もっと、ちゃんと軟白化させてみたい。

by green-field-souko | 2013-01-22 09:19 | 畑でわたしは考える | Trackback | Comments(16)

片メール



仕事上の小さなスッタモンダに起因して、
昨晩、わたしの言ったことは、
相手に伝わっただろうか。

返事を期待するものではないので、
彼女がどう読んで、
どんなふうに受け止めたかは知らない。

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言ってやる義務なんてないけど、
このあと
彼女を雇うひとが気の毒すぎるから。

余計なことを言って楽しいわけはないので、
あとあじのわるさは、
はなむけ分だと思うことにした。

by green-field-souko | 2013-01-20 23:12 | 日々の照り降り | Trackback | Comments(4)

柚子かぶら



畑から採ってきた聖護院かぶら。
無農薬有機でやっているので、穴だらけ。
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今時季くらいになると「ス」があいてきて、
初冬のような、きめこまかな質というわけにはいかないけれど、
柚子といっしょに甘酢漬け。
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サックサク♪

by green-field-souko | 2013-01-14 07:20 | ときどきプチ野菜料理 | Trackback | Comments(12)


とうに消えてしまった木造の櫓船。

遺された櫓を、懐かしい、と言って漕いでくれた。

ゆうるり、ゆうるり、櫓がくうをかく。
ぎいぎい、きしむ音。規則正しく、きしむ音。


陸へあがって数年が経つ漁師さんは、
確かめるように、黙って、長いこと、櫓を操る。
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櫓の向こうで、波音がするようだ。
潮の匂いだって嗅げるもの、
ざふざふと海原に漕ぎだした船の上にいるみたい。

ムービーで記録できないものか、と思いながら、
ゆらり、ゆらり、気持ちが揺れてしまった。

by green-field-souko | 2013-01-14 06:55 | 日々の照り降り | Trackback | Comments(12)


手前味噌で、恐縮です。
新聞各社さま、フリーペーパーさま、などが取材してくださったおかげか、
問い合わせ件数や来場くださる方が、じわじわ、増えているそうです。

せっかくなので、紹介の記事を上げてみることにしました。

展示最終日は、3月31日です。
「ぬくもり栃尾展」
愛と想いを込めて、プランニング&プロデュースしました。
博物館での展示ですが、ちっとも堅苦しくありません。
あたたかさ、楽しさを、ほっこり感じていただければ、嬉しいです。

お近くの方は、ぜひ、お立ち寄りくださいませ。





長岡市立科学博物館。
曲がって薄暗く長い廊下は、いかにも昭和な博物館の雰囲気で、
わたしはけっこう好きなのだけれど、
その廊下に面した3つの展示ケースが「ぬくもり栃尾展」に与えられた空間。
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貴金属や紙幣や証文などは、ふつうは金庫に入れる。
そして、そういうのとは違う類の大切なものは、きっと、手箱に仕舞われただろう。

だから、展示ケースを、硝子の手箱になぞらえた。
こぼれて散らばっているモノや想いを拾い、そっと、手箱に入れてあげたいと思った。






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[壱ノ手箱(いちのてばこ)]
織る・着る 栃尾紬
「栃尾紬」は江戸時代の寛政年間(1789‐1801)頃に、養蚕が盛んだった栃尾郷の家内工業として興りました。出荷の選別ではじかれる繭玉は、ほぐされて真綿となり、その真綿で紡がれた糸で「栃尾紬」は織られてきました。明治末期になると工場生産へと移り、反物のほとんどは東京・大阪・京都などへ買い付けられていきました。1つめの手箱は、「栃尾紬」にまつわる物語です。

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好きな色の糸を2種類選び、織りからあつらえた紬。
この柄を織れる織り手は一人しかおらず、仕立てあがるまで3年を要した。

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入札(いりふだ)は、いわゆる、商店などのポスターやチラシや暦。

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江戸時代の織り見本帳。
買付商人がこれを示し、織りの指示などに使った。

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玉繭(繭として出荷できない品質の繭)をほぐすと真綿になる。
真綿を紡いだ糸で、紬は織られた。
真綿はワタといってもコットンではなくシルク。
繭、真綿、綿の実にふれて、感触の違いをどうぞ。





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[弐ノ手箱(にのてばこ)]
着物に願いを 婚礼衣裳と男児祝着
「末永く幸せでありますように」嫁ぐ娘のため、精一杯の支度に努める父親がいました。「病気をせず元気に育ちますように」生まれてきた子のため、ひと針、ひと針に心を込める母親や祖母がいました。2つめの手箱は、戦前の頃の祝言や子どものお祝いなど、ハレの日を見守った着物に託された物語です。

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養蚕とはた織りで潤った時代、とても裕福な家が、このあたりに何軒かあった。
戦前に着られた白無垢も、そんな家の品物。

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凝った細工のかんざしも美しい。

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昭和19年の婚礼の献立。祝儀の記録もある。

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昭和のはじめ頃まであった、背守りの風習。

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お針のじょうずなひとに、縫ってもらったさまざまな模様の背守り。
お手にとって、どうぞ。





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[参ノ手箱(さんのてばこ)]
着物と香り
仏教伝来と共に日本へ伝わった〝香り〟は、江戸時代には公家や大名の特権階級だけでなく、武家社会や遊興の世界でも日常的なものになっていきました。身分を問わず、女性たちは着物や髪にお香をたきしめ、身だしなみの一つとしました。河井継之助は「沈香も焚け、屁もこけ」と、香りにちなんだ名言を残しています。3つめの手箱は、香りをまとった着物の物語です。

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正絹の襦袢は、間に真綿をまわした、贅沢な仕立て。
いつの時代、どんなひとが着たものか分からないが、
源氏香の柄の着物をふわりと羽織る着こなしが、江戸末期に流行した記録がある。

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沈香についての覚書。
猿彫杉風作?は、沈香につけられた銘か、ブレンダーの名前か。

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沈香をたきしめた古布の紅絹。
ふたを開けて、香りの体験を、どうぞ。




「ぬくもり栃尾展」は、来年3月31日まで開催。


草子の雑感など
by green-field-souko | 2013-01-13 23:59 | とるに足らないモノコト | Trackback | Comments(6)


これからは、いっそう、お金を遣わないことが大事だね。
他人や世間はどうであれ、
自分は清貧をよしとして、
つつましく、前向きに楽しく、昭和30年代レベルの暮らし方をするのだ。

お財布にお金がないと、そんなふうに考えるのだけれど、
今まで、物質にまみれて生活してきたので、なかなか、うまくいかない。

それでも、なるべく、
いや、せめて、と言うべきだろうが、
うちの田畑で育てた米や野菜で、日々をまかなう。



今朝、畑へ行ってきた。
雪原と見まごう畑から、さまざまな野菜を掘り起こす。
葉物は土から出て凍っている。
根菜は凍った土から引き抜けない。

それでも、野菜は、生きている。

生きている野菜で舌と胃を満たして、生きていく。
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あの頃、わたしは、
飲むほどに乾く水を飲み続けていた。飲み続けるしかなかった。
なんて愚かな選択をしていたのだろうか。

死ぬために生まれてきたわけじゃない。


More
by green-field-souko | 2013-01-12 13:59 | 野菜普及委員会 | Trackback | Comments(4)

夜ごはん



ナポリタンみたいな、
ミートソースみたいな、
けど、
どちらでもないスパゲッティ。


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つかれたー
by green-field-souko | 2013-01-06 23:37 | とるに足らないモノコト | Trackback | Comments(6)

永遠の永遠




仕事をしていたら、背中のほうで、
ぱたぱたという音。

なぜ猫が窓ガラスを肉球で叩いているのかと
思ったら、
外に舞う雪を捕えようとしているらしい。



ひとしきり叩いた後、
猫は、窓の外を、じいっと眺めた。

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ひっそりと雪を見ている猫を見ていたら、
急に
淋しいような、心細いような気持ちになってしまった。

雪の永遠。
猫の永遠。

by green-field-souko | 2013-01-06 23:25 | 日々の照り降り | Trackback | Comments(4)

オウンネーム南瓜



ちょっと前の話。
庭先に居たら、近所のおばさんがわざわざ、南瓜を持ってきた。

「これ、面白いでしょ。私がつくったの」
と、私の部分に力を込めて南瓜を差し出す。
南瓜が若いうちに、文字を釘で引っ掻くと、こうなるのだそうだ。
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わたしは心で思った。
(ここは褒めておくべきだろうな)
めずらしいですね。すごいですねえ。
心にもないことを言う時は、語彙が貧しくなってしまうものだ。

おばさんの腕は、わたしの胸のあたりに南瓜を差し出したまま。
南瓜の重さで腕がプルプル震えはじめた。
(ひょっとして、受け取れということか)
一瞬、考えた弱さというか、ひるみに、南瓜が押し入れられた。
「気に入ってくれたなら、あげるわ」

仕方ない。ボソッと小さくお礼を言って、もらう。



おばさんは、畑をたくさん持っている。勉強熱心でもあるそうだ。
しかし、おばさんのつくる野菜は、とっても薄味。
どうしたらこんなになるのかと、不思議になるくらい、味も香りもない。
だから、それを知っているひとは、だれもおばさんから野菜をもらわない。

しかも、せっかくのオウンネーム、
南瓜に彫られた〝えみちゃん〟って、だれですか?w
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さてさて。


↓仕方ないので料理しました(泣)
by green-field-souko | 2013-01-03 08:17 | ときどきプチ野菜料理 | Trackback | Comments(18)