ずっと生き難かった。ため息と深呼吸の備忘録。


by 草子
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粽(ちまき)




漏斗状にした笹の葉に、もち米を詰めて、中身がこぼれないよう
もう一枚の笹で蓋をしたらスゲで結わえて茹でる。
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旧暦の節句のころになると、
笹だんごと同様に、粽はこのあたりでつくられてきた。

「笹だんごより簡単」と、プロセスの手間を母は言うが、
粽の形と大きさを揃えるほうが、わたしには難しく思える。

まあ、言われてみれば、笹だんごは、たしかに手間がかかる。
早春のうちに摘んだよもぎを茹でて干しておき、
もち米を粉に挽き、山まで笹やスゲを採りに行き、小豆を煮る。
搗いて、練って、蒸して、丸めて、包んで、結わえて、ようやくかたちになる。
一方、母が言うには「粽はもち米を包んで茹でるだけ」である。

昔は、どこの家でも、笹だんごと粽を山ほどこしらえた。
農家の女たちは、何百もの笹だんごと粽をつくり、
親戚や離れて暮らす家族へ、箱に詰めて送ることになっていた。

あるとき、勤務先に重たい段ボール箱が届いた。
開けてみたら笹だんごと粽が詰められ、ご丁寧に黄粉まで添えてあった。
当時、残業の多い仕事だったので、
アパートへ送っても受け取れまいと、母が気をきかせてくれたのだ。
配ると周りは喜んで食べてくれたが、田舎者のわたしは恥ずかしかった。
残った分を持ち帰る銀座線。
笹が香り、恥ずかしかった。翌朝ぜんぶ大家さんにあげてしまった。





笹の葉は香りもよいが、なんといっても抗菌作用があるそうで、
家の中の風通しのよい場所に吊るしておけば、日持ちがしたし、
かたくなった場合は、茹で直せばよかった。

古い家の、長押に渡した竹竿に、何百も吊るされた笹だんごや粽は
豊かな食の風景だったのかもしれない。



あのころに較べ、粽はずいぶん小さくなった。
「だって笹の葉が小さくなったもの」
里山が荒れて、大きな笹が育たなくなったという意味である。
「それに、小さいほうが食べやすいしねえ」
腹持ちのよさは、今の時代には、喜ばれない。

母がつくれなくなったら、粽は途絶えるのかもしれない。
笹だんごはつくれても、わたしは粽をつくったことがない。
そう言うと、
この世代で笹だんごをつくれることのほうを、たいてい驚かれる。



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by green-field-souko | 2014-06-29 08:14 | そうるふうど | Trackback | Comments(12)

いつかへの伝言



いつか土の匂いのする畑で。
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そのときが春なら、
生みたての玉子かけごはんを。




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by green-field-souko | 2014-06-29 07:01 | 旅と隠遁 | Trackback | Comments(3)

隠遁マンションの午後


つめたく気持ちいい床に寝そべって、
紅茶をのみながら、本を読んでいたら、うとっとしてしまった。

いつも、いつも、いつも、どうしてこんなに眠いのだろう。

とろとろした頭で、機械のうなる音を聴く。

ぶーん、ぶーん、びーん、びーん、草刈り機の音。
小石でもはねるのか、時々、ガキンというかたい金属音。

うるさいから窓を閉めたいのに、眠くて動きたくなくて、
そしたら、草の、青くよい匂い。



仕事は好きだけど、
いろんなひとの居るところに雇われるのは、もう、いやだ。

思い出しては、絶望する。

立ち上がることはできても、
長く立ち続けることは、きっと、できない。




今年も、
草を刈る音が、夏を連れてくる。


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by green-field-souko | 2014-06-26 14:19 | 旅と隠遁 | Trackback | Comments(4)
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by green-field-souko | 2014-06-26 07:04 | とるに足らないモノコト


暑く乾いていた5月の畑も、
涼しい6月の雨で、息をふきかえしてくれた。安堵。

畑から帰ると睡魔が襲ってきて。
夕方うたたねをしたら、翌朝になっていて、おどろいた。


作業着の仕事をしていた場所で、
今度はスーツの仕事をするために名刺を交換。
この場所では、よれよれの恰好しか見せてこなかったのに、
「いっしょに仕事をしてみたいと思っていました」
なんて言ってもらえて、おどろいた。

ほんのすこしだけど、
ちいさな博物館で民俗くんとも付き合えることになって。
通常あり得ないパターンにおどろいた。


このところ、おどろいてばかり。

幾つかのことが、ほぐれながら整っていくなかで、
カクンと寝落ちてしまったらしい。
初夏はまぶしいうえに、いつまでも暮れず、ずうっと眠かった。



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by green-field-souko | 2014-06-24 20:36 | とるに足らないモノコト | Trackback | Comments(12)

迷子



世間のひと並みのことが
しょっちゅう、できない。

だから居場所がない。


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by green-field-souko | 2014-06-15 19:35 | 日々の照り降り | Trackback

猫と山椒と夜と



甘えていいよ、と
今年も山椒が言ってくれる、甘え下手のわたしに。
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夜の中で
しみじみと山椒の実や葉をはずしていると、
猫が嗅ぎに現われる。
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ほら、森の匂いだよ。
山椒は、初夏の森のしめりけの匂い。





ホームセンターで昼間みた
ノルウェージャンフォレストキャットの
小さな男の子の話を、猫にしてやる。

うるさく蒸し暑い店内で
せまい箱に詰め込まれて水だけ与えられて、
生体陳列販売をされていた子。

生後3か月というが、
拾ったときのにゃご(推定生後1か月半)くらい小さくて、
目やにで顔が汚れ、うまく排泄もできないようだった。
おなかでヘコヘコ息をしている。
ときおり、難儀そうに寝返りをうつ。

95000円が値引きされて80000円。
手が出ない。
うちには、すでに、猫が居る。

子猫を死なせれば店の丸損。
だったらワクチン代くらいを払って預かり、
獣医に診せて治してから、どこぞに里子に出せないものか。
思いつきを、そのひとに話してみた。
「自分のできる範囲のことしか、ひとはできない」
「弱った犬猫がいったい何匹いるんだ」

こらえきれず物陰で涙を拭うと、
そのひとは、
「だから、いやなんだ、こういう生きものの売買は」
と、怒ったように言った。

猫に話していたら思い出して、また、涙が出た。

ノルウェージャンフォレストキャットの小さな男の子が、
どうか、やさしいひとに買われていきますように。
その家で、寿命がくるまで、たくさん愛されますように。

グズグズ泣いていたら、
猫はからだを摺り寄せてきて、「にゃん」と鳴いたあと、
わたしの足の甲に、自分の前脚をのせてくれた。
猫の肉球の、しめったあたたかさで、もっと泣いた。
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仕方のないことは、いくらでもある。
息をととのえ、そうして山椒の匂いを、ゆっくり深く吸った。

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by green-field-souko | 2014-06-14 09:04 | 旅と隠遁 | Trackback

ふかしじゃが芋



収穫には、まだ早いものの、
「できたかなー どうかなー どんなかなー」
と気になって仕方ないので、じゃが芋を2株ためし掘り。

畝から掘り起こすと、
これからまだ太りそうな芋もあったりして、
ちょっともったいない気がしないでもないのだけれど、

土を洗い落とし、包丁を入れる。
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新じゃが芋が、包丁の刃を受ける感触は独特。
サクッとしていながら、なめらかで、そのきめこまやかさが包丁にすいつく。
今年は、種芋を埋めてから、ずっと雨が少なかったせいか、
瑞々しいのに、水っぽくない。


蒸し器で20分ほど。
ねっとりした食感。そして、甘みというよりも、旨味。
どこぞで、こだわりの高級煎茶をごちそうになったことがあって、
同席者が「○の素でも入っているようなコクね」
と耳元で言ったものだったが、そのときの旨味を思い出した。
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「塩をすこしつけるだけで充分ね」
ふかしただけのじゃが芋を
ほおばりながら師匠は言うが、
塩さえも要らないんじゃないのーと丁稚は思ったりする。




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by green-field-souko | 2014-06-04 13:09 | ときどきプチ野菜料理 | Trackback | Comments(23)