その家は、ほんとうに、海っぺたにある。広くもない道路一本を隔て、すぐに砂浜が広がっている。
冬にはものすごい海風が吹き、どんなに窓を閉めていたって、家のなかまで砂が侵入するし、死にたくなりそうな風の音が聴こえ、好きなだけ居てよいと言われたって、とても一人では居られないのだ。
だから、ほとんど、わたしの記憶は夏ばかり。
朝はやく、このまちの住民の多くは、有線放送のチャイムで起こされる。夕方6時になると、またチャイムが流される。学校と同じチャイムの音なので、学校という組織になじめなかったわたしは、指図でがんじがらめにされていたころが思い出され、すこしいやな気分になってしまう。
コーヒーを淹れてもらい、お庭のあたりを、ぶらぶら歩く。浜辺を歩いてもよいのだけれど、そうすると漁師さんに会うので、あまり歩かない。仕事をしているひとのそばを、いかにも閑そうに、ぶらぶら通り過ぎるのは気がひける。
火を使う音。戸を開け閉めする音。車が出て行く音。生活がもれ聴こえてくる。そうした音がなじむほど、観光客や旅人には、この家では、なれなくなっていく。
今ごろ売れているはずだった海辺の家
ごらんいただき ありがとうございます
ぽち!も どうぞよろしく
冬にはものすごい海風が吹き、どんなに窓を閉めていたって、家のなかまで砂が侵入するし、死にたくなりそうな風の音が聴こえ、好きなだけ居てよいと言われたって、とても一人では居られないのだ。
だから、ほとんど、わたしの記憶は夏ばかり。
朝はやく、このまちの住民の多くは、有線放送のチャイムで起こされる。夕方6時になると、またチャイムが流される。学校と同じチャイムの音なので、学校という組織になじめなかったわたしは、指図でがんじがらめにされていたころが思い出され、すこしいやな気分になってしまう。
コーヒーを淹れてもらい、お庭のあたりを、ぶらぶら歩く。浜辺を歩いてもよいのだけれど、そうすると漁師さんに会うので、あまり歩かない。仕事をしているひとのそばを、いかにも閑そうに、ぶらぶら通り過ぎるのは気がひける。
火を使う音。戸を開け閉めする音。車が出て行く音。生活がもれ聴こえてくる。そうした音がなじむほど、観光客や旅人には、この家では、なれなくなっていく。
今ごろ売れているはずだった海辺の家
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by green-field-souko
| 2009-07-28 07:18
| 旅と隠遁
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Comments(2)