ずっと生き難かった。ため息と深呼吸の備忘録。


by 草子
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鈴呑みという選択




おいしいお蕎麦のお店と
おいしいシーフードパスタのお店を
重役氏が教えてくれたのは、
隠れ家の常連になっている僕っていいでしょ、ってことなのか。

お蕎麦もシーフードパスタも好きだけど、
そこまででもないなあ、と頭の中でつぶやいていたら、
最近どんな店に行っているかを訊かれ、
たいしてどこへも行っていないわたしは困りながら
本町市場のなかにある魚屋さんの名前を出してみた。

その鮮魚店は、活きのよい地魚や
自店でこしらえた海産物のお惣菜なんかも売るが、
折りたたみ長テーブルとパイプ椅子を店先にしつらえて、
定食や一品料理をそこで食べさせてくれもする。
(のみものはオール持ち込みシステム)


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こう言ってはなんだが、
戦後の闇市っぽいような、昭和な場末感が漂っている。

それが、いい。

そもそもは秋の頃。
今どこそこにいるからと、
日曜の昼にLINEで仕事仲間に呼び出されて行ってみたら、
ウォーキング途中だという彼は、
鮭の焼き漬けを肴に缶チューハイを呑んでいたのだった。

ご相伴にあずかり、ここいいね、と誉める。
そうだろうと機嫌よく呑む彼の実家は古い料亭だそうで、
少年時代は高脚膳で出される料理が常の食事で、
ネエヤさんがつきっきりでお給仕してくれていたという。

ちょっと違うけど太宰治みたいだった?と訊くと、
全然違うけどお坊ちゃまではあった、と笑った。

そういうお坊ちゃまなので
肴がなくなると店をぐるっとまわり、
値段なんか気にせず、あれとこれとそれを好きに持ってくる。


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女将さんが勧めてくれた〝新潟の上海蟹〟には笑った。
上海で獲れるから上海蟹って言うんじゃないの。
時季が早くミソや内子がすこしなので400円でいいよ、というオチ。
おいしかったけど。



なんて話をしてみたら重役氏は、
草子さんは和食が好きなんですね、とだけ頓珍漢に言った。
もちろん話は続かなかった。
だよね。

休日のウォーキング途中、この鮮魚店でランチ呑みすることを
お坊ちゃまは、店名から一文字とって「鈴呑み」と言っている。





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# by green-field-souko | 2019-02-16 23:55 | とるに足らないモノコト | Trackback | Comments(12)

そうるふうど in 寺泊



寺泊民俗資料館
https://www.city.nagaoka.niigata.jp/shisetsu/bunka/te-minzoku.html

昔ながらの郷土料理を再現した展示。
今に伝え継がれているものもあれば、
習俗の変わり様のなかで、忘れられていったものもある。

自然と消えていくものは仕方ないけれど、
それなら、せめて、できるだけ記録くらいしておきたいと思う。
消えていくものは、どうしてこんなに愛おしいのだろうか。




獲れる時期を待っていた、
スケソウダラの煮つけ。

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似たような魚でも、マダラとなれば高級で、
庶民の食卓に並ぶのはスケソウのほう。
甘じょっ辛い煮汁が寒さのなかで固まり、
翌朝、煮こごりになっているのが、また楽しみだった。



長岡伝統野菜でもある体菜の漬物を、
打ち豆や酒粕と合せた煮菜(にぃな)。

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似たような煮物でも、
うちの地方では体菜よりも大根菜だった。
蒲原平野は広く、大根も多く栽培されていたついでに
葉を利用したのだろうと想像されるが、
「あたため直しても煮とけにくいから」というのは母の考え。

煮菜のようなものには
鰹節や昆布は贅沢で、干し子(煮干し)を使う。




ある野菜がつくり続けられるのは、
食べたいひとがいて、料理のできるひとがいて、
品種なりが選ばれて残っているのだから、
考えてみれば、なかなか大変なことなのかもしれない。





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# by green-field-souko | 2019-02-10 12:48 | そうるふうど | Trackback | Comments(10)

春一番が吹いた日の海


三日前。

雪が少ないのは生活のうえでは嬉しくもあるが、
早すぎる今年の春に
気持ちがザワザワと落ちつかないのは、
生きものの本能なのだろうか。

今時季にしては、穏やかな日本海。

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海に背を向けると
山までもがザワザワ動いていて、
春はいつも不穏なのだ。

どこにも民家はないのに、
集落の名残りの消火栓。

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ここ数年、旅が足りていない。
猫と居るようになってから特に。
旅不足ながら、
それもまあ、よしとする。



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# by green-field-souko | 2019-02-07 09:46 | 旅と隠遁 | Trackback | Comments(4)

繭玉かざり



昨年、暮れのうちに
囲炉裏端にムシロを敷いた。

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しょっから鍋を自在鍵に吊るして、
火鉢や煙草盆もしつらえて、
あったかい風景になった。



それから、小正月の餅花。
あるいは繭玉飾り。
時代や地域でさまざまありすぎて
これとは決められず、
結局シンプルになったとか。

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天蚕の繭みたい。
清々しさが
展示したひとに似ている。
翳まで美しいのだから。





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# by green-field-souko | 2019-01-24 11:37 | とるに足らないモノコト | Trackback | Comments(12)

畑じまい



雪が降る前に、大根や長ねぎの冬囲いをした記憶が
ないわけではないが、
そのように昔ながらの冬支度を
やらなくなってしまったのは、いつからだったろう。

今でも周りでは、冬を前に畑から野菜を
まとめて採って保存するひとは
めずらしくないのだから、
ただ単にうちが、冬支度を怠けているだけかもしれない。

畑の師匠(母)は言う。
「だって、採りたてのが全然おいしいもの」
ドカ雪が降れば窮するのは間違いないのに、
「その時はその時よ」
雪で畑が埋まるリスクを承知で、野菜を畑に置いておく。


雪に遭うと、野菜は甘くなる。
キャベツ、大根、白菜、長ねぎは畑に残す。


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12月中に全部までは採りきれなかった赤かぶは、
小さなものまで畝から拾い、
スが空かないうちに甘酢に漬けよう。


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小正月をすぎて、ようやく、畑じまいとする。

なんだか落ち着かなかったのは、
このせいだったのかもしれない。






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# by green-field-souko | 2019-01-17 19:46 | 日々の照り降り | Trackback | Comments(8)

二礼四拍手一礼



仕事のすき間に、寄り道。

ここの神社は不思議。
山にあるせいか
突然、雨が降ったり、びゅんと風が吹いたり、
あたたかな天気雨に変わったりする。

ちょっとしたサプライズも起こる。
このあいだは境内で、
紅い打掛と羽織袴の結婚式に偶然遭遇したし、
そのまえは、素人目にもみごとな盆栽や
よい香りの菊花を見せてもらった。

信仰心がたいしてあるわけじゃないのに、
たまに足が向くのは、どうしてなのだろう。

願をかけることは今のところなく、
ただ、自分の在りようについて感謝を言い、
周りのシアワセを祈る。



この日も。

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鳥居をくぐるときは雨だったのに
わずかの時間に
参道の杉林は見る見るもっさりと白くなり、
本殿へ着いたら、薄っすらと雪が積もっていた。

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そして、車を停めた門前へ戻ると、
明るくなった空から、晴れやかに陽が射していた。

気が済んだので、
初詣には行っていない。






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# by green-field-souko | 2019-01-05 07:01 | 旅と隠遁 | Trackback | Comments(12)

暮れゆく大晦日



板の間にムシロを敷き、囲炉裏に鍋をつるす。

ヘッツイの釜の上には蒸篭。
たっぷりの湯がたぎり、
もうもうと熱い湯気にもち米が蒸される。
(という設定)

神棚を造りつけ、榊や鏡餅も。

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寺泊民俗資料館。
展示替えをしたら、
なんだか、ほっと、落ちついた。
2018年が暮れてゆく。
よい年だった。
よい仕事をさせてもらえたのだから、
感謝しながら次へつなげたい。



辺境ブログにお越しくださいましたみなさま。
2018年ありがとうございました。





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# by green-field-souko | 2018-12-31 16:39 | 旅と隠遁 | Trackback | Comments(10)

近況



くたびれて風邪。
善良なひと達からの元請け仕事。
こじらせて熱と咳。
それをこなすためのアイテムを差し出してくれるひと。
気管支炎。
約束の旅。
WILLERのターミナルがおもしろい。

吸入器、白い錠剤、シロップ。
古市から竹内街道であちこち。
葡萄畑、蜜柑畑、古墳。
羽曳野は大阪よりも奈良に暮らしが近い。

小児喘息だったころに戻ったような咳。
民俗から追っての打診。
眠くて仕方ない。
リスト検索システム項目の検討。
情報発信のライティング。
なかなか終わらせられない調査カード。
来月頭の打ち合わせ準備。

羽曳野のクリニックでもらった薬が
なくなったので、
きのうのブランチは打ち合わせがてら、
トマトスープ、ブロッコリー、ワイン。
ハイスペックSE氏のやり方は、すごくて素敵。
仕事ぶりにどきどきさせられて、
おもしろくて仕方がない。

動きすぎた。支離滅裂。おやすみなさい朝だけど。




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# by green-field-souko | 2018-11-25 07:40 | とるに足らないモノコト | Trackback | Comments(8)

赦してもらったようで



関わらせてもらった展示仕事が、夏の終わりに公開されたので、
こんな機会はもうないかもしれないから
「見てみたい」
というかーちゃんを、連れて行った。

実際のところ、展示など、どこまで解ってくれるのか知らないが、
「よい展示だねえ」
とだけ、かーちゃんは言った。

展示はもちろん、わたしだけの仕事であろうはずはなく、
あくまでもスタッフの一人でしかないのだけれど、
それでも、自分がやった部分をいちいち、かーちゃんに教えた。

「そうね、あなたらしいもの、解るわ」
かーちゃんは、言いながらそこのところを、じっと見ていた。





家に着いてから、かーちゃんは大きく息を衝きながら言った。
「大変だったけど」
「お金なくてほんとうに苦しかったけど、
ガッコー行かせてやって、よかったわ」
「思うほどお金を送れなくてあなたも苦しかっただろうけど、
でも、こんなによい仕事をさせてもらえたのだから
やっぱりよかったんだわね」

うちの経済を考えれば、
とんでもなく過ぎた進学だったわたしの学費を
かーちゃんは爪に火を灯すような内職のやりくりで、なんとかしてくれていた。
あまりにも大変なそのつらさが、恨みにも似た痛みになっていたことを
感じていなかったと言えば、嘘になる。

べつの進路もあっただろうに。
無理を通したことは長い間、わたしの重石になっていた。
とりかえしのつかないことをやってしまった、と後悔もした。
自分のわがままで母を苦しめた。
とりかえしのつかなさは、生涯の罪と呑みこんでいた。



「そんなふうに言ってもらえるなら」
わたしは上ずりながら言った。
「もうねえ、いつ死んでもいいなあ」

その展示仕事は、長岡市寺泊民俗資料館。
あとで記事にしたい気もするが、気持ち的にできないかもしれない。
みっともないこの記事も、
ファン限定に切り替えるかもしれないし、しないかもしれない。


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画像は、わたしのソウルフード、芋こ味噌ごはん。
毎年、秋になると、畑から掘り起こした里芋でこしらえる。
近づく冬を前に、ほっとするような。

とりあえず。





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# by green-field-souko | 2018-10-19 10:39 | とるに足らないモノコト | Trackback

こすもす日和に



ある仕事を9月に終えてから、
うまく気持ちを
切り替えられずにいた。

それから
なにもしなかったわけではなく、
何人かのひとと会ったり
起案書をつくったりしながら、
動かそうと思えば動かせるようにした。

でも、なんだか、
あまりなにもしていない気がするのは
どうしてなのだろう。


実感が足りないのかな。
仕事をしているという。

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気がつけば、一カ月も経っちゃって。
日向ぼっこに甘えていると、
はやくしないと、
冬が来る。






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# by green-field-souko | 2018-10-18 13:49 | 日々の照り降り | Trackback